速くなくていい。楽しいが一番! 「あいちトリコローレ2025」ドライブラリー・レポート
景色と時間を楽しむ、大人のラリーイベント
12月6日(土)、愛知県・知多半島を舞台に「あいちトリコローレ 2025」が開催された。本イベントは、チンクエチェントの保護・保存活動を行うとともに、クルマ好きに向けたファンイベントなどを手がけるチンクエチェント博物館が、毎年12月最初の週末に開催している恒例行事だ。
例年はあいち健康の森公園を会場としているが、今年は同施設が工事中のため会場を変更。通常のミーティング形式ではなく、東浜駐車場を起点に知多半島内を走るドライブラリー形式のイベントとして実施された。

ドライブラリーとは、距離や進行方向が記されたコマ図を頼りに、チェックポイントを巡りゴールに辿り着くまでの時間を、あらかじめ設定された走行時間(隠しタイム)にどれだけ近づけられるかを競うもの。速さを競う競技ではなく、制限速度を守ることが前提となるため、風光明媚な景色を楽しんだり、同乗者との会話を楽しみながら走れるのが特徴だ。

参加車両はおよそ80台、参加者数は約150名。欧州車限定のイベントということもあり多彩なモデルが集まったが、なかでもイタリア車の存在感は大きく、アバルトだけでも約20台が参加した。また、スペシャルゲストとして自動車ライターの嶋田智之氏、チンクエチェント博物館アンバサダーの山本衿奈さんも一緒に出走し、イベントに華を添えた。

右から自動車ライターの嶋田智之氏、チンクエチェント博物館アンバサダーの山本衿奈さん、イタリアから来日されたクラシックアバルトの第一人者アルド・グラッサーノ氏、通訳の原田徹也氏。
スタート地点となった東浜駐車場には、出走前に全車両が集合し、開会式が行われた。初参加者にも配慮し、ドライブラリーの進め方や注意点がチンクエチェント博物館館長の深津氏から説明され、参加者の高揚感が会場全体に広がっていた。

チンクエチェント博物館 館長の深津浩之氏。
スタートは30秒おきに1台ずつ。3つの経由地を巡るルートが設定され、途中のスポットでは知多半島の海の幸を味わえるランチも用意された。多くの参加者は助手席の同乗者がコマ図を読み上げ、ドライバーをナビゲート。同乗者同士の連携で目的地を目指す姿が見られた。勝敗よりも「楽しむこと」を大切にしたイベントであることは参加者全員が理解しており、道中や各ポイントでは自然と笑顔がこぼれる。終始、穏やかで心地よい雰囲気に包まれた一日となった。

愛知の海の幸が提供されたランチ会場の模様。
それでは、実際に参加された方々の生の声を紹介しよう。
