大切な人への贈り物にも。オリジナルの自動車イラストはいかが?

もらったら嬉しいものをお相手に

3世紀のローマに、ウァレンティヌスというひとりの司祭がいました。当時は皇帝クラウディウス2世によって、士気の低下を防ぐべく、兵士の結婚が禁止されていました。けれど司祭は、その禁令に反して秘かに兵士たちの結婚式を執り行い、愛し合う恋人たちを祝福していたのだそうです。噂は広がり、皇帝はウァレンティヌスに二度とそうした行為をしないよう命じますが、彼は命令に屈せず、最終的には捕らえられて処刑されてしまいました。西暦269年の2月14日。以来、彼の殉教日は聖バレンタインデーと呼ばれるようになり、ウァレンティヌスは恋人たちの守護聖人として敬われ続けています。

もうすぐそのバレンタインデー。そしてその1ヶ月後には、お返しをするためのホワイトデーがやってきます。日本では信仰に根ざした伝説とはあまり関係なく、恋人同士や友人同士がスウィーツを贈り合う楽しいイベントになっていますが、その分だけ笑顔が生まれることを考えれば、それは素敵なこと。ウァレンティヌスの目指したところに近いようにも思えます。

ほかにも誕生日や記念日など、大切な人に贈り物を届ける日は思いのほか多いものです。もちろん何を贈るも自由ですが、自分がもらったら嬉しいものを選ぶというのが贈り物の基本。クルマ好きとしては、自分のクルマ、あるいは愛車と自分が描かれたプロの手によるイラストを贈られたら、ものすごく嬉しい気持ちになりませんか?

でも、お高いんでしょう?という声が聞こえてきそうですが、今回ここでご紹介するのは、オリジナルイラストとしてはとてもリーズナブル。林部研一さんの“でふぉるめ画オーダーイラスト”です。

写真を超える緻密さ

林部研一さんのイラストはこれまでも数多くの自動車メディアに掲載され、自動車メーカーの販促用イラストなどにも採用されています。林部さんは1967年生まれ。自動車イラストの第一人者であるBowさんに憧れて、10代の頃に水彩でクルマのイラストを描き始めました。印刷会社に就職し、そこでアップルコンピューターとアドビ・イラストレーターの技術を身につけると、個人的に描いていた自動車イラストも次第にCGへとシフト。そして彼のイラストを高く評価したメディア関係者から自動車イラストレーターとして独立することを勧められ、現在に至ります。


自動車専門イラストレーターの林部研一さん。非常に緻密でリアルな車のイラストを得意とする。イラストレーター歴は、およそ30年。

林部さんの作品のタッチは、まるで写真かと思ってしまうほどの精密さ。はじめて彼のイラストを見たときには、一瞬、ミレーやクールベといった写実主義の画家の作品を連想したほどでした。複雑な面構成を持った車体に現れる光と影が緻密に表現されていることから、“自動車イラスト界のレンブラント”と評した人もいるほど。何しろ作品によってはたったひとつのヘッドランプを描くのに150時間もかけたというほどの、徹底したこだわりぶり。ボディラインや面の様子を熟視して絶妙に変化させたりすることで、クルマの個性や雰囲気といった魅力的な部分が写真よりも強調されています。


PCでベジェ曲線(二点間を結ぶ滑らかな曲線を算出する計算手法)を用いて極限まで描き込み、細部を塗り分ける。そうして完成するリアル画は、写真と見間違われることが多いという。

「描いているうちにどんどん楽しくなって、気がつくといつもすごい時間が経っちゃって……。細かいところ1箇所に何度も修正を加えても、きっと誰にもわからないのにな、ってちょっと複雑な気持ちになることもあります(笑)」


林部さんの手による595 Competizioneのリアル画。「クルマの個性を最大限に引き出し、美しいフォルムを表現することを心掛けている」というのが納得の仕上がり。

リーズナブルでプレゼントに最適な「でふぉるめ画オーダーイラスト」

そんな緻密さにこだわる林部さんがデフォルメイラストを手掛けるようになったのは、ファンからのリクエストが多かったため。そこで、クルマの持ち味を巧みにとらえたさまざまな車種の「でふぉるめ画オーダーイラスト」の受付をスタートさせました。さらにクルマだけではなく、要望により人物やペット、文字なども描き込んでもらえるオプションも用意しています。

「でふぉるめ画オーダーイラスト」は、お気に入りの角度でクルマを撮り、写真をメールで送ると描いてもらえる1点モノ。写真がもとになるので、写真のクルマの仕様が再現されることになります。また、特に要望がない場合はお任せとなりナンバーもそのまま描かれます。イラストはA4サイズ。紙の台紙に収まった状態で、イラスト1点の中にクルマ1台の場合は8800円、2台の場合は1万6500円。それに人物、ペット、文字、ロゴなどのオプションを加えたいときには、それぞれ1点につきプラス2200円となります。


今回制作をお願いした「でふぉるめ画オーダーイラスト」(左)。イラスト制作の参考としてお渡ししたのがFCAジャパン マーケティング本部長 ティツィアナ・アランプレセの写真(右)。

せっかくの贈り物なので綺麗なカラーフレームに収まった状態でプレゼントしたいですよね。その場合にはA4サイズのカラーフレーム代が加わって、クルマ1台の場合は1万2760円。オプションについては台紙の場合と同じです。つまり、あなたが愛車と贈りたい相手の描かれたイラストをカラーフレーム付きでオーダーする場合には、クルマ1台と人物1点で合計1万4960円+送料。その予算で、この世にふたつとないオリジナルイラストができてしまうのです。

「自分が乗っているクルマやこれまで乗り継いできた想い出のクルマをオーダーされる方が多いですね。誕生日プレゼントとか納車記念という方の注文もあります」
ということですが、バレンタインデーやホワイトデーに贈るというのも、断然あり!でしょう。ただしオーダーを受けて制作をスタートしてからお届けまでに約2週間の時間を要するということ。今年のバレンタインデーには、ちょっと間に合わないかもしれませんね。


こちらはリアル画のサンプル(左)。写真のように緻密な作画の背景には、無数の曲線からボディフォルムを再現し、陰影や車体への写り込みを忠実に再現する手法にある(右)。

イラストのオーダーは、林部さんのウェブサイトから申し込みができます。トップページからオーダーイラストへと進み、商品説明を確認のうえオーダーしてください。また、リクエストがある場合にはお問い合わせフォームから相談してみるのがいいでしょう。

自分の周りの人(やクルマ)に感謝の気持ちを込めて、オーダーイラストを贈ってみてはいかがでしょうか。

林部研一オフィシャルサイト

文 嶋田智之

アバルト公式WEBサイト