1969 Fiat Abarth 595 SS【動画】|アバルトの歴史を刻んだモデル No.077

1969 Fiat Abarth 595 esse esse
フィアット・アバルト 595 エッセエッセ

歴史を紡ぐ“原点”

現在の「595」シリーズのオリジンは、1963年に登場した「FIAT ABARTH 595」。当時のイタリアの国民車であるFIAT 500をベースに、アバルトがエンジン内部やキャブレター、吸気系、エキゾーストシステム、オイルパンなどに専用開発のパーツを採用するなどして、最高出力をベース車の18hpから27hpまで50%引き上げた。

なおFIAT ABARTH 595はデビュー時には、後ろヒンジ(前開き)式のドアを持つFIAT 500 Dタイプをベースとしていたが、1965年にベース車が前ヒンジ式のFタイプへとマイナーチェンジしたことに伴い、FIAT ABARTH 595も前ヒンジ式へと改められた。今回紹介するのはそのFタイプベースのFIAT ABARTH 595 SS(エッセエッセ)である。

エクステリアは、基本的にFIAT 500を踏襲しつつ、エンブレムがアバルトのものへと変更されているほか、リアバンパー下にはABARTHのロゴ入りのオイルパンの姿を見ることができる。また、その右側から“マルミッタ・アバルト”と呼ばれるアバルト製エキゾーストシステムが張り出しており、特別なモデルであることを主張している。

今回の取材車FIAT ABARTH 595 SSのオーナーは、小池雄之(ゆうし)さん。このほか、現行の595 Competizioneを所有し、贅沢な新旧アバルトライフを堪能されている。この“理想的な2台体制”に至るまでに新旧それぞれに変遷があり、旧い方は1971年式FIAT 500 Lタイプを経て現在の1969年式FIAT ABARTH 595 SSへ、新しい方は2008年式FIAT 500 Sport、2013年式ABARTH 500 SSを経て、現在の2017年式595 Competizione Performance Packageへと至った。そんな多大なるチンクエチェント愛の原点となったのは子どもの頃に観た『ルパン三世』だそうで、小池さんはフィアットにもリスペクトを注ぎつつ、アバルトに特別な情熱を持つエンスージアストというわけである。

そんな小池さんのFIAT ABARTH 595 SSの走る姿やエンジンサウンド、そして現代のアバルトへと受け継がれるスピリットをリアルにお届けしたく、動画「ABARTH CLASSICHE The Movie Fiat Abarth 595 SS 編」を用意したのでご覧いただきたい。

【1969 FIAT ABARTH 595 SS|ABARTH CLASSICHE The Movie】

“マルミッタ・アバルト”とは
FIAT 500 Dタイプとは
アバルトオフィシャルWEBサイト