「4台の中で一番気に入っています」アバルトライフFile.31 高橋さんと595 Competizione

4色目のコンペティツィオーネ

同じブランドの別の車種に乗り換えるという話はよく耳にしますが、まさか同じ車種・同じグレードを4台も乗り継ぐ方がおられるとは……。2013年秋からはホワイト、2014年秋からはブルー、2017年春からはイエロー、そして2019年初夏からはアドレナリングリーン。すべてABARTH 595 Competizioneです。

その方は、2018年の夏にご登場いただいた、高橋政宏さん。当時のインタビューでも“2年ぐらい経ったらまた同じアバルトに買い換えているかも”とおっしゃっていましたが、本当に乗り換えていたのです。


595 Competizioneを4台乗り継いでいる高橋政宏さん。4台目はMake Your Scorpionで特別ボディカラーのアドレナリングリーンを選択。

「いろいろ別のクルマもチェックしたり比較検討してみたりもしているんですけど、アバルトみたいにかわいさとカッコよさが同居しているクルマは、他にはないんですよ」

高橋さんは以前も、595シリーズの魅力をそのように話してくれました。広告制作の会社を経営されていて、デザインも手掛けていらっしゃいますから、カラーだとかその組み合わせに敏感なことも存じています。ということは、今回の買い換えも、やっぱりボディカラーが決め手に?

「イエローのアバルトが増えてきたことがひとつ。走行距離がだいぶ伸びていたのがひとつ。でも、やっぱり色ですね。イエローも気に入っていたことは確かなんですけど、もともと僕のイメージの中にあるイエローよりちょっと濃いな、と感じていたところも実はあったんです。皆さんそれぞれイメージの中に、クルマと色の理想的なマッチングみたいなものがあると思うんですよ。前のイエローは僕にとってはスポーティな印象が強くて、自分が求める雰囲気でいえばもう少しカジュアルな方がいいな……というのが頭の中にあったんです」


色の好き嫌いはもちろん、その色がもたらす雰囲気も考慮してボディカラーを選択されている高橋さん。その審美眼にかなう色を見つけたとき、「コレだ!」と直感したそうです。

選ばれたアドレナリングリーンは、2018年のMake Your Scorpionのときに595 Competizioneに設定されていた、日本初導入のカラーです。

「前回インタビューしていただいたときに、“Make Your Scorpion”が毎年やっていることを教えていただきましたよね。普通のメーカーはそういうことはやらないのに、毎年サソリ座のタイミングで実施しているっていうのは洒落ているな、と思ってたんです。それで2018年のときにチェックしてみたらアドレナリングリーンがあって、コレだ! と(笑)。自分でPhotoshopを使ってミラーやホイールの色を変えてみたりシミュレーションをして、納車前にミラーとダッシュボードをボディと同じ色に、ホイールをブラックにペイントしてもらいました。シートがベージュにできたらもっとよかったんですけど、満足度は100%って言っていいです。色って微妙なものだから、大満足できることってそうそうないですよね。歴代の中でいちばん気に入ってます」


ダッシュボードはボディカラーと同色にアレンジ。ホイールはブラックに塗装するなど、自身の理想のマッチングを追求。細部までこだわっただけに「満足度は100%」。

同じクルマが4台目、それも鮮やかなイエローからやっぱり華やかなアドレナリングリーンへの乗り換え。周囲の反応はどうだったのでしょう。

「あんまり気にしたことはないけど、お洒落なクルマに乗ってるおかしな髪型と服装の中年って思われてるかもしれませんね(笑)。決して目立ちたくてこの色を選んだわけじゃないんですけど、この前あそこを走ってましたよね? って言われたりすることはあります。この色は少ないんでしょうね。結構あちこちに乗って行ってるけど、1回も同じ色のアバルトとすれ違ったことがないんですよ」

前回からちょうど2年。クルマの使い方に何か変化はあったでしょうか。

「妻に取られちゃうことが多くなりました(笑)。妻はわりと運転が上手なのであんまり心配はしてないんですけど、子供をときどき学校に送っていくときには“狭い道を通るから”、塾に迎えにいくときには“周りが混雑するから”と、理由をつけてはアバルトを取られちゃいます。スポーツの大会で遠くまで行くときぐらいはもう1台の大きなクルマに乗っていけばいいのに、やっぱりアバルトで行きたがるし。確かに小さいから扱いやすいし、ラゲッジスペースもわりと使い勝手がよくて荷物もちゃんと積めるから、そういう意味でも楽なんでしょうね。普通にその辺を走っていても楽しい、って言ってますし。元々は僕が仕事で都内のクライアントのところを回るためにアバルトを選んだんですけど、僕がひとりで家族用の大きなクルマに乗ることの方が多いです」


ご子息が楽しまれているクライミングのギア一式をラゲッジに放り込んで出かけることも。実用十分な荷物を詰めるところもお気に入りだそうです。

楽しい。だから疲れない

お子さんもだいぶ成長されているはずです。コンパクトなボディで、スペース的に手狭になってきたりは……?

「上が大学生で下が中学生。身体も大きくなりましたけど、そういえば不満は一度も聞いたことがないですね。かなり気に入っているんだと思いますよ。ちょうど上の息子が免許を取ったばかりなんですけど、アバルトに乗っていいよって言ったら、アクセルをちょっと踏んだだけでグイッて加速するしブレーキもちょっと踏んだだけでグイッと停まるから、教習車とあまりに違うって言ってましたね。そこがアバルトのいいところなんですけど(笑)」


走る目的でクルマに乗るタイプではないという高橋さん。とはいえ、遠出でもアバルトでの移動はまったく苦にならないそうです。

高橋さんご自身のアバルトとのつきあい方はいかがでしょう。

「前回も言いましたけど、僕はイベントとかサーキット走行とかには行きませんし、どこかにひとりで走りに行くこともありません。遠回りしたくなったりすることはあるけど、そういうところは何も変わってないですね。アバルトの低い速度域でもスポーツドライビングを楽しめるところも魅力ですけど、僕はカジュアルに日常生活の中で楽しみたいんです。仕事で数百キロ走ることになっても、往復の移動の時間そのものが楽しい。だから疲れない。本当に気に入ったスタイルの、本当に気に入った色のクルマに乗っているんですから、気分もすごくいいです。維持するのに余計なお金を払った記憶もないですし、そういうことも含めて、本当に満足度の高いクルマだと思いますね」

念のために、やっぱり訊ねておきますね。次もまた595 Competizioneに乗り換える可能性は……?

「Make Your Scorpionで気に入る色があったら……というか、次もアバルトを買いますよ。代わりになるクルマが本当にないんです。オレンジとかがあったらいいなぁ……」

文 嶋田智之

595 Competizioneの詳細はコチラ