次世代を担う子どもたちに光を エグゼクティブ・ファイト・ナイトVIII
企業のエグゼクティブがボクサーに変身
この日、普段ビジネススーツを着込むエグゼクティブたちは、グローブとトランクスを着用し、リングに上がった。その数は総勢16名。世界有数のグローバル証券会社や外資系企業に勤める管理職や役職者だ。彼らがここに集まった目的は、「エグゼクティブ・ファイト・ナイトVIII」に参戦すること。エグゼクティブ・ファイト・ナイトとは、企業のエグゼクティブが“にわか”ボクサーとなって繰り広げる、「ファイター(=エグゼクティブ)によるファイター(=病気と闘う子どもたち)のための闘い」である。今回で第8回目を迎える。
エグゼクティブ・ファイト・ナイトVIIIの主催団体である認定NPO法人シャイン・オン・キッズは、病院に常勤するファシリティドッグとハンドラーをペアで派遣することで、小児がんや重い病気と闘う子どもたちを支援している。今回のイベントの収益金もファシリティドッグ・プログラムの活動資金に充てられる。
ファシリティドッグ・プログラムとは、特別な訓練を受けた犬(ファシリティドッグ)と看護師資格を持つハンドラーが、配属先の病院で病気の子どもたちを勇気づけたり、遊び相手となったりして子どもたちの前向きな気持ちを引き出す動物介在療法だ。手術を怖がっていた子が手術室に勇気を持って行けるようになるなど多くの実績をあげている。
闘う勇気やスピリットを子どもたちと共有
会場には参戦者の同僚をはじめ、彼らの務める企業や支援団体から大勢のサポーターが集まり、寄付やライブオークション、ラッフル(慈善を目的としたクジ)に参加した。アバルトも同イベントのサポーターのひとつ。ファイターの闘いは、子どもたちの支援のためであると同時に、自らの挑戦でもある。その志は、アバルトが掲げる“挑戦”のスピリットと重なるのだ。
エグゼクティブ・ファイト・ナイトVIIIの参加者の年齢や国籍はさまざま。21歳から49歳まで、日本、イギリス、ドイツ、フランス、オーストラリアなど9カ国のファイターが闘いを繰り広げた。参加者の中には女性もいた。
ファイターはこの日のためにトレーニングを積み、闘いに備えた。ボクシングである以上、怪我をしてしまうリスクはある。真剣勝負の闘いに挫けない勇気も必要だ。プレッシャーに負けない精神力も求められるだろう。厳しい闘いに向けた前向きな気持ちを病気の子どもたちと共有するために、本番前のプレイベントでは病気の子どもたちと直接触れ合う機会も設けられた。
目標達成
試合は2分×3ラウンドで行われた。本物のボクシングに比べると短いが、一般人にとっては肉体的にも精神的にもかなりハードな闘いだ。選手はフラフラになるまで闘い、終了のゴングが鳴る頃には息も上がるほどだったが、疲れても集中力を振り絞って取り組む姿勢やクリーンな闘いぶりにエグゼクティブらしい一面も見られた。
なかには体に傷を負ってしまう選手もいたが、最小限の応急措置をして闘いの舞台に戻ると会場からは拍手が湧き起こった。ゴングが鳴る最後の1秒まで諦めず、負けても笑顔で相手を祝福する姿は、見ていてとても気持ちが良かった。
試合の中盤に行われたライブオークションでは、支援企業から提供された豪華な商品やサービスが出品され、収益が寄付に充てられた。最終的にシャイン・オン!キッズのファシリティドッグ・プログラムへの支援は、目標額を大幅に上回る金額に達した。エグゼクティブによる戦いは、会場に感動をもたらしただけでなく、病院の子どもたちの笑顔を増やすことにつながったのだ。
シャイン・オン!キッズ公式ページ
アバルトのCSV活動『CHALLENGE』