アバルトの歴史を伝えるヴィンテージモデルが大集結

アバルト・スコーピオン・ミーティングの参加者はもちろん、イベント全体の目玉企画となったのが、ピットに勢ぞろいしたアバルト・クラシケ。750GT ザガートをはじめ1000 ビアルベーロ、1000 SP、OT1300 ペリスコーピオ S2、そして595や1000 TCRといった1950〜60年代のフィアットベースのモデルから、70年代のフィアット124／131アバルト・ラリー、さらにアバルトの名こそ冠していないものの、同社が開発して1980年代のWRC（世界ラリー選手権）で活躍したランチア・ラリー 037エボリューション2のワークスカーや、1993年のDTM（ドイツ・ツーリングカー選手権）のチャンピオンマシンそのものであるアルファ ロメオ155 V6 TIに至るまでの希少な約20台が、ギャラリーとの間を遮るロープなどが一切ない状態で展示された。

アバルトが手掛け、1950年代から90年代に活躍したヴィンテージモデルたち。マシンを間近で見ることができ、ファンにはたまらないエキシビションとなった。

かつてレースシーンを賑わせた往年のアバルトがピットからコースへと躍り出る。やはりアバルトにはサーキットが似合う。

まさにアバルトの栄光のコンペティション・ヒストリーを俯瞰するようなそれらのマシンが一斉にウォームアップを始めた後にピットロードに整列し、アバルトサウンドを轟かせてデモランに向かう光景は壮観そのものだった。

「アバルト クラシケラン」と呼ばれるデモ走行では、世界に名を轟かせた往年のマシンがレーシングコースを走行。アバルト愛好家はもちろん、会場に集まった多くのファンの視線を釘付けにした。

「走る」「集う」「触れる」を存分に楽しむうちにあっという間に時間は過ぎていき、晩夏の富士にちょっぴり涼しい風が吹き始めた頃、メインコースではフィナーレとなるイベント参加全車によるパレードランがスタート。アバルト・スコーピオン・ミーティングに集ったオーナーたちも再会を約束し、コースを1周した後に家路についたのだった。

文 沼田亨

アバルト公式WEBサイト