ABARTH版デュアロジック『ABARTH COMPETIZIONE』を操るコツを徹底解説!

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ABARTHのドライブテクニックや、FIATとの違い、『esseesse Bremboキット』・スポーツ・マフラー『レコードモンツァ』の実装テストなど、昨年はさまざまな面でABARTHの魅力をお届けしてきました。今回はギアに焦点を当て、ABARTH版デュアロジックである “ABARTH COMPETIZIONE”のクセやドライブでのコツを解説します!

ABARTHのデュアロジック『ABARTH COMPETIZIONE』とは!?

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「あれっ!?このクルマシフトレバーがないんだけれど、いったいどうやって動かせばいいの?」と、初めてトランスミッション形式が『ABARTH COMPETIZIONE(アバルト コンペティツィオーネ)』であるABARTHに乗った方は戸惑うと思います。いわゆる棒状のシフトレバーがないクルマも中にはありますよね。例えば、ステアリングの横にコラムシフトのようにレバーが生えている『メルセデスベンツ』や、エンジンを掛けるとダイヤルがせり上がってくる『ジャガー』などがそう。でも、生えているところや形状が違っても、なんとなく感覚的にわかるものが存在します。

ところが、『ABARTH COMPETIZIONE』はそういうものが一切ない・・・。あると言えば、通常シフトレバーが生えていそうな位置に、プッシュボタン式のスイッチがあるのと、ハンドルにパドルシフトが装着されているくらいですよね。実はコレこそがシフトレバーに相当するものなのです。“1、N、R、A/M”というボタンがありますが、これとパドルシフトを使ってシフトするという具合なんですね。

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まず、右足でしっかりブレーキを踏んで、エンジンを始動すると、メーター内にN(ニュートラル)に入っているという表示が出ます。ここから、前進する場合は1を、後退する場合はRを選択。ソロリとアクセルを踏むとクルマが動き出すという仕組みです。エンジン始動時はA(オートマチック)モードになっていますので、そのまま速度を上げていくと、いわゆるオートマチック車と同じようにギアが切り替わっていきます。ねっ!簡単でしょ。

その際にスポーツスイッチを押すと、スポーツファンクションが作動して、最高のエンジン性能を発揮するエンジンプログラムに切り替わります。エンジン回転数を高めに保ち、パワーを保ちつつ、シフトアップ・ダウンが行われ、またギアの切り替えに掛かる時間が短くなります。その分、多少、ギアが切り替わってつながる時に、変速ショックがあります。

さて、Aモードで走行中に、シフトダウンしたい時ってありますよね。そんな時はそのままパドルシフトを使ってシフトダウンすれば、一時的な手動モードになります。しばらくするとAモードに戻ります。つまりAモードで走行中は、通常のオートマチックとなんら変わらず操作ができるので、わかりやすいですよね。

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そして、ここからが『ABARTH COMPETIZIONE』の真骨頂。実は、『ABARTH COMPETIZIONE』のトランスミッションは、デュアロジックと言いまして、ひと言で言い表すと、クラッチペダルのないマニュアルトランスミッションなのです。一般的にはAMTと表記されることが多いですね。なので、M(マニュアル)モードを選択すると、いわゆる5MT車感覚での操作が楽しめるというわけなんですね。

Mモードですから自分で変速していくわけですが、変速にはパドルシフトを使います。その際にスポーツスイッチを押すと、こちらもスポーツ走行に最適になるよう、ギアの切り替えに掛かる時間が短くなります。レスポンスがよくなるというとわかりやすいかもしれませんね。しかしその分、多少、ギアが切り替わってつながる時に、変速ショックがあります。普通のMT車で、クラッチをスッ!とつなぐのと、ドンッ!とつないだ場合の違いと、感覚的には似ています。

こうして書くと、ひと粒で二度美味しいようなトランスミッションに聞こえるデュアロジックですが、やはりメリットとデメリットがあります。まずメリットは、変速レスポンスがいいということ。そして燃費がよくなる傾向にあるということ。これはまぁ走り方によって違ってきますが・・・。また、ATやCVTと比較すると軽量なのも魅力です。やはりスポーツカーは軽い方が運動性能が高くなりますからね。
デメリットは、ATと比べると、どうしても変速時のショックが大きくなってしまうということです。でもこれには解決方法があります。いわゆるMT車と同じような感覚で運転すれば、変速時のショックはほとんど感じないほどに消すことができるのです。

デュアロジックを使いこなす走り方のコツ

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01

【発進 / 加速 / 変速】
まず発進時は、AT車のようなクリープ現象がないので、一気にアクセルペダルを踏み込まず、ジワリと操作するとスムーズな発進ができます。そしてAモードならそのまま、Mモードなら自分のタイミングでシフトアップしていってください。その際の変速ショックですが、MT車の変速時はクラッチペダルを踏み込む直前にアクセルペダルを戻しますよね? 同じように変速したいタイミングでアクセルペダルを戻すと、シフトのタイミングも自分で作れますし、変速ショックも消すことができます。

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02

【坂道 / 下坂】
約5%以上の勾配の上り坂で停止→発進する場合は、約2秒間クルマがズリ下がらないようにブレーキのホールド機能がサポートしてくれますが、心配な時はハンドブレーキを使いましょう。長い下り坂はフットブレーキだけで下ると、ブレーキが熱を持って利かなくなるフェード現象を起こします。そんな時は、パドルシフトを使って低いギアに変速しましょう。AT車よりも強力なエンジンブレーキを得られるので、安心して下ることができます。

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【停止】
AT車のようなP(パーキング)レンジはないので、1かRに入れたままエンジンを停止してください。Nのままエンジンを切ると、数秒間アラームが鳴ります。

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一筋縄の運転技術で乗りこなせないのもABARTHが愛される理由!以上のような『ABARTH COMPETIZIONE』のクセやドライブでのコツを覚えて、ギアチェンジをマスターし、さらにABARTHを楽しく、安全に運転してみてください。

INFORMATION

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Text:竹岡圭
Photos:YosukeKAMIYAMA