ロマンと職人技が融合。アバルト×シチズンのコラボ腕時計、その真価とは。
ロマンと利便性という異なる価値の融合
ABARTHコラボレーションモデルならではの特徴について教えてください。
徳山さん 時計にとってムーブメントは、自動車のエンジンになぞられて語られることが多いのですが、このムーブメントは現代に求められる機能として、耐磁性を備えているのが特徴のひとつです。通常、腕時計というのは磁気を帯びると時刻精度に影響を及ぼしますが、コラボレーションモデルのベースとなったシリーズエイトはスマートフォンやパソコンといった磁界を発生させる機器に1cmまで近づけてもほとんどの場合、性能を維持できるムーブメントを搭載していますので、普段使いで安心して利用いただけます。
もうひとつの特徴は、文字板にアバルトのレーシングイメージを表現した、リアルカーボンを採用していることです。光発電「エコ・ドライブ」の場合、文字板が光を透過するためにプラスチック製となることが多いですが、機械式時計であれば文字板に不透過素材が使えます。これは機械式時計だからこそ実現できたデザインですし、コラボレーションの肝となるアバルトのエンブレムもパッド印刷という手法により細かく再現しています。ここにも高精度へのこだわりが息づいているのです。
時計の裏側はシースルーになっていて、ムーブメントの動きが視覚的に楽しめるようになっていますね。
山根さん 時計好きの人はムーブメントの動きを見られることを重要視します。ABARTHコラボレーションモデルは、ムーブメント自体が耐磁性能を持つゆえに、ケースにシースルー構造を採用することが可能になりました。
またブレスレット部はオールブラック仕上げとなっており、これはシリーズエイト初採用となります。強いブラシ仕上げの部位とミラー面を組み合わせることで、着用した時にキラキラと光が反射し、着用した時に気分が上がるようなデザインとしています。
アバルトの持つ、スポーツイメージが表現されたSeries 8 ABARTHコラボレーションモデル。随所に専用設計を施したその希少性もさることながら、シチズン時計のモノ作りのこだわりの随所に、アバルトに通じるクラフトマンシップが詰まっているように感じた。単に時間を知るための道具ではなく、見て楽しめ、着用して気持ちが上がるSeries 8 ABARTHコラボレーションモデル。 そこには、機械式時計のロマンと日常使いの利便性という異なる価値が共存しているのである。
取材協力=シチズン時計株式会社
アバルトオフィシャルwebサイト https://www.abarth.jp/