アバルトとeスポーツの秘密(?)の関係。2020年の新たな挑戦「ABARTH × ストリートファイターV – SCORPION CHALLENGE」がスタート

アバルトとストリートファイターの共通項とは

アバルトが主催するeスポーツイベント「ABARTH × ストリートファイターV – SCORPION CHALLENGE」。その前哨戦となる「SEASON 1」のトーナメントが6月28日に開催された。これは、日本全国からオンラインを通じて参加可能なPlayStation®︎4版の対戦型格闘ゲーム「ストリートファイターⅤ チャンピオンエディション」を用いた大会だ。

アバルトオーナーのなかには「ストリートファイター」と聞いて、1990年代に一大ブームを巻き起こした「ストリートファイターII」を思い出す人もいるかもしれない。「俺より強い奴に会いに行く」という刺激的なキャッチコピーとともに、斬新なゲームシステムや明快な操作性、魅力的でユニークなキャラクターを引っさげて登場した「ストリートファイターII」は、対戦型格闘ゲームという新たなジャンルを切り拓いた挑戦的な存在としてあまりにも有名だ。

イタリアのカーブランドであるアバルトと、対戦型格闘ゲームのストリートファイター。一見すると、意外な組み合わせに感じるかもしれない。しかし、よく考えていくと奇妙な符合がある。アバルトの創業者であるカルロ・アバルトが、かつて強い情熱でモータースポーツの世界に挑戦したときは、まさに「俺より強い奴に会いに行く」という精神だったのではないか。常に挑戦し続け、サーキットシーンやチューニングの世界で成功を収めるとともに、刺激的なパフォーマンスを発揮する唯一無二の存在であり続けることも、新ジャンルを確立し独自の地位を手にしてきたストリートファイターシリーズとよく似ている。

だからこそ「ABARTH × ストリートファイターV – SCORPION CHALLENGE」というプロジェクトが誕生したことにも、うなずける。これからますます広がっていくと言われているeスポーツ市場、そして一般のユーザーやプロ選手が分け隔てなく入り乱れて戦うトーナメント戦。そうした数々の「挑戦」へとつながる今回のeスポーツ大会は、まさしくアバルトが実現してきたこと、そして目指すところと同じ。そもそも「sport(スポーツ)」の語源となったラテン語の言葉には「楽しむ」や「遊ぶ」といった意味があり、5月にデビューした限定車「ABARTH 595 / 595C PISTA」の「果敢に遊べ」というキャッチコピーにもマッチしている。

世界で活発化しているeスポーツの動き

対戦型ゲームを用いて戦う今回のようなeスポーツ大会は、近年、世界中で盛り上がりを見せている。海外では、数億円もの高額賞金が掛けられた大規模な大会がたびたび開催されており、日本でも大会やゲームイベントが頻繁に開かれており、熱戦が繰り広げられている。その多くは、一般のプレイヤーが気軽に参加できるイベントとなっているが、プロ選手として活動するゲーマーも増え、彼らを応援するファンも少なくない。

アバルトが2019年から取り組むeスポーツイベント「SCORPION CHALLENGE」の第1弾では、レースゲームによるトーナメント戦を大々的に開催し、カーブランドが主催する数少ないeスポーツ大会として注目を集めた。

そして、2020年の今年開催される第2弾は「ABARTH × ストリートファイターV – SCORPION CHALLENGE」というタイトルのもと、PlayStation®︎4版の対戦型格闘ゲーム「ストリートファイターⅤ チャンピオンエディション」における最強王者を決定する戦いとなる。


「ABARTH × ストリートファイターV – SCORPION CHALLENGE」の公式サイト


カプコンが提供する対戦型格闘ゲーム「ストリートファイターV」


ABARTH 595 PISTA

16名による本戦。繰り出される絶技に出演者も大興奮

「ABARTH × ストリートファイターV – SCORPION CHALLENGE」の最初のイベントである「SEASON 1」は、オンラインにて対戦。最大256名がエントリーし、予選を勝ち上がった上位16名が本戦に進出。さらに、勝ち続けた上位4名が、同ルールで9月に開催される「SEASON 2」の上位4名とともに、10月の「CHAMPIONSHIP」にコマを進める。

各SEASONの優勝者には賞金5万円、準優勝者にも3万円が授与される本格的な大会ということもあり「SEASON 1」から全国の強豪プレイヤーたちが集結した。


「SEASON 1」の本戦トーナメント表。上位4名が10月の「CHAMPIONSHIP」大会に進出する

16名が出場した「SEASON1」の本戦の模様は、YouTubeを通じてライブ配信された。MCには、声優・野沢雅子さんやドラゴンボールの孫悟空などのものまねで有名なお笑いコンビのアイデンティティ、実況・解説はeスポーツキャスターとして知られるアール氏と格闘ゲームのプロゲーマーとして活躍する板橋ザンギエフ氏が担当。他の大会でも好成績を収めている注目選手の対戦カードを中心に、準々決勝、準決勝、そして決勝の熱い戦いの模様を紹介した。

ライブ配信は、「ストリートファイターⅤ」の詳しい紹介に加え、アール氏による軽妙な語り口の実況と、板橋ザンギエフ氏の経験に裏打ちされた的確な分析で、格闘ゲームファンはもちろん、幅広い人たちが夢中になれる、楽しい構成となっていた。

アイデンティティの田島さんは、元々ゲーム好き。一方の見浦さんは、空手初段の腕前をもつなど格闘技になじみがある。そのせいか、2人ともMC席から身を乗り出す勢いで観戦し、鋭い技のひとつひとつに大興奮。手に汗握る攻防、超速で繰り出される高難度の必殺技、体力ゲージをギリギリまで減らしながらの接戦に、何度も絶叫し、感嘆の声も漏らしていた。


MCを務めたアイデンティティの田島さん(左)と見浦さん(右)


アール氏(左)と板橋ザンギエフ氏(右)。的確な実況・解説のおかげで「ストリートファイター」を初めて見る人にもわかりやすい解説が繰り広げられた

対戦の合間には、ライブ配信を視聴している方と、アール氏、板橋ザンギエフ氏が、PlayStation®︎4のシェアプレイの機能を利用して「ストリートファイターV」の必殺技を一発で繰り出すという視聴者参加型企画「超必殺技リレーチャレンジ」も実施した。

視聴者2人とスタジオの2人が順番にチャレンジし、決まったコマンドを入力して必殺技を出すことができれば賞品ゲット。しかし、1人でも失敗すればなぜか田島さんが罰ゲームを受けるという理不尽なルール……。そんなプレッシャーのなか、視聴者プレイヤーの方がいきなり失敗してしまうという“アクシデント”もあり、大会を盛り上げた。


視聴者参加型企画に挑戦するアール氏。自分のターンで見事に必殺技を決める


長年ストリートファイターシリーズで戦う板橋ザンギエフ氏も、余裕で成功した


視聴者プレイヤーが緊張のせいか失敗してしまい、出演者の4人が思わず悲鳴を上げる


罰ゲームを受ける田島さん


箱を見浦さんが叩くと、箱に空いた穴から悪臭が飛び出て田島さんに直撃


ひどい臭いに思わずえずく

「最強」の呼び名をもつ2人の戦いの行方は

決勝戦は、ストリートファイターのキャラクターである「バルログ」の使い手の名手として知られる「sousike」選手と、同様にダルシム使いとして数々の実績を誇る「YHCmochi」選手の戦い。3ラウンド先取で勝者が決定する戦いは、1ラウンド目はsousike選手が圧倒。しかしこれで闘争心に火が付いたのか、YHCmochi選手のダルシムの動きが一気に攻撃的になり、連続で2ラウンドを奪う。


初戦はバルログのsousike選手が勝利


2ラウンド目と3ラウンド目は連続でYHCmochi選手のダルシムが取り返す

それに対して再び攻勢に出たsousike選手のバルログが4ラウンド目を獲り、2対2のイーブンに持ち込んで最終5ラウンドへ。互いの体力を残りわずかまで削る互角の戦いを展開しつつも、最後、長い間合いを活かしながら接近戦でも強さを見せたダルシムYHCmochi選手の投げ技が決まり、勝利。優勝したYHCmochi選手、準優勝のsousike選手、さらに準決勝を戦った他2名が10月の「CHAMPIONSHIP」に進出した。


最後はダルシムの投げ技で決着。YHCmochi選手がSEASON 1の優勝者となった


ベスト4まで勝ち抜いたuemura選手、YHCmochi選手、sousike選手、ザベス選手は10月の「CHAMPIONSHIP」に出場

イベントは誰でも参戦可。CHAMPIONSHIPで最強を目指せる

すでに説明した通り、9月には同様の形式で「SEASON 2」のトーナメント戦が開催される。翌10月はSEASON 1と2で勝ち抜いた計8名が戦う「CHAMPIONSHIP」が行われ、そこで「ストリートファイターⅤ」の最強王者が決定することになる。
この「CHAMPIONSHIP」では、格闘ゲームのトッププレーヤーとして知られるプロゲーマー・ときど選手も登場予定だ。

本大会は、すべてライブ配信を通じて観戦できるだけでなく、みなさん自身が戦いに加わることも可能。用意するものはPlayStation®︎4のゲーム機本体とゲームソフト「ストリートファイターⅤ チャンピオンエディション」の2つ。あとは、インターネット経由で対戦できる環境だけ。次回9月の「SEASON 2」にエントリーし、賞金獲得と「CHAMPIONSHIP」出場、そして最強のプレイヤーを目指して「挑戦」してみてはいかがだろうか。

MC:アイデンティティ(田島直弥 / 見浦彰彦)
2004年に結成した人気お笑いコンビ。声優 野沢雅子さんのモノマネでの大ブレイクを期に、YouTube(登録者数53万人)では、絵を描いたり、様々なモノマネや抜群の歌唱力を披露するなど、マルチな才能を発揮している。

実況:アール
実況歴20年以上の大ベテランeスポーツキャスター。長年全国レベルのプレイヤーだったこともあり、実力もさることながら、戦況の読みあいや心理戦に対するコメントも的確。癖のある実況から、視聴者や選手には「アール節」と命名されるなど、熱い戦いを一緒に盛り上げていく。

解説 / コメンテーター:板橋ザンギエフ
2012年からプロ格闘ゲーマーとしての活動を開始。頭脳派プレイヤーとして知られ、対戦相手の心理を読み取っているかのような絶妙な駆け引きを得意とする。語尾に「おぉん」をつけるのが口癖で、テンションが上がると「ウヒョー!」と叫びだす。

 

アバルト x ストリートファイターV – SCORPION CHALLENGE SEASON 1アーカイブ