希少なヴィンテージアバルトも出走 ラ フェスタ ミッレミリア 2016

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ミッレミリア(Mille Miglia=イタリア語で1000マイル)とは、その名のとおりイタリア全土を1000マイル(約1600km)にわたって走る伝説の公道レースである。1927年から、第二次大戦による中断を挟んで57年まで開催されたが、諸事情により惜しまれながら中止。それから20年を経た1977年に、クラシックカーラリーとして復活した。かつて競技に参戦したマシンの同型車にて、スピードではなく、あらかじめ設定されたタイムに対して、いかに正確に走れるかを競うのである。

その復活版ミッレミリアの日本版が、1997年に始まり、今回で記念すべき20回目を迎えた「ラ フェスタ ミッレミリア」。国際クラシックカー連盟(FIVA)の公認を受けた、日本最大のクラシックカーラリーである。今回は全131台が参加し、10月14日に東京原宿・明治神宮をスタート。4日間で1都7県にまたがる約1200kmを走破した。

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スペシャルゲストとして来日した“無冠の帝王”こと往年の名ドライバーであるサー・スターリング・モスが、夫人とともにパドックを訪問。「フィアット アバルト 750GTザガート」を見やる。

1949年に創設されたアバルトは、当然ながら戦前のミッレミリアには出場していない。戦後も55年までは毎回わずかな出走に留まっていたが、同年に発売された「フィアット 600」をスープアップした「フィアット アバルト 750」が登場するや、翌56年には13台が出走。ロードレース時代の最終年度となる57年には、さらに増えて22台が参戦。うち17台は56年に登場したザガート製ボディを着た「750GT ザガート」で、そのなかからグランドツーリング750ccクラスの勝者が生まれている。

今回のラ フェスタ ミッレミリアに、そのクラスウィナーと同型の1958年「フィアット アバルト 750GTザガート」で参加したのが、高瀨陽一郎さん。ラ フェスタ ミッレミリアは7回目、このアバルトでは5回目の出走となるという。

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「フィアット 600」をベースに、ヘッドクリアランスを補うダブルバブルのルーフが特徴的なザガート製ボディを架装した、1958年「フィアット アバルト 750GTザガート」で参加した高瀨陽一郎さん(左)と、コ・ドライバーの成松修司さん。

「ザガートのスタイリングをはじめ、自分の好きなものが、このサイズに凝縮され詰まっている感じですね。これに乗ると高速道路は避けて、景色や空気を感じながら下道を走りたくなります。制限速度内でもサウンドなどでスピード感が感じられて、十分楽しめるんですよ」

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代官山T-SITEでは、たとえば20mを5秒で走行せよ、といった設定に対していかに正確に走れるかを100分の1秒単位で競うPC競技も行われた。

1949年の“ヴィラ・デステ”(イタリアの著名なコンクール・デレガンス)のために作られクラス優勝したという、ワンオフの希少車である「フィアット1100 ギア アバルト」で参加したのは木村英智さん。49年といえばアバルト創立の年で、つまりは最初期のアバルトチューンのエンジンを積んでいることになる。

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1949年「フィアット 1100ギア アバルト」で参加した木村英智さん。「フィアット 1100」のシャシーにカロッツェリアのギアがボディを架装したクーペで、ベンチシートにコラムシフトという仕様である。

しかも木村さんは、このほかに「フィアット アバルト 750 レコルトモンツァ」「フィアット 131アバルト ラリー」、そしてアバルトが開発した「ランチア ラリー037」と、合わせて4匹のサソリを飼っているというから驚く。
「コンクール向けのクルマだし、エンジンは低回転ではトルクがないから、発進はかったるいんです。でも回していくと、洒落グルマであることを忘れてしまいますね。滑らかに突き抜けていく感じとでもいいますか、エンジンのフィーリングやサウンドは、走りに振ったアバルトと共通するものがあるんですよ」

創立当初からアバルトマジックが確立されていたこと、および時代を経ても不変であることが証明されたわけである。

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4日間、約1200kmの全行程を完走、再び神宮橋に戻って祝福を受ける1957年「フィアット アバルト 750GTザガート」(撮影:沼田亨)。

ラ フェスタ ミッレミリアの最初のチェックポイントが設けられた東京・代官山T-SITEでは、競技車両通過後の10月14日と15日に「ヘリテージ オートガーデン」を開催。イタリア車の新旧モデルとそのヘリテージにまつわる展示が行われた。なかでもアバルトは最新の「124 スパイダー」と、そのルーツとなる「アバルト 124 スパイダー ラリー」の2台を表通りに面したスペースに展示。ショーを訪れた人々の注目を集めたのはもちろん、通りかかった人々をイベントに誘うアイキャッチの役割も果たした。

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ヘリテージオートガーデンで、表通りに面したスペースに展示された「アバルト124 スパイダー」(左)。そのオリジンといえるモデルが、70年代のヨーロッパ ラリー選手権(後のWRC)で活躍した「アバルト124スパイダー ラリー」(右)だ。

さらに15日の夜には、アバルトオーナーおよびファンを招いてのスペシャルプログラムであるヘリテージナイトを開催。参加者はパーティー会場で、そして新旧「アバルト 124 スパイダー」を囲んで、同好の士と心ゆくまでアバルト談義を楽しんだ。

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文 沼田亨
写真 荒川正幸

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