『esseesse Brembo キットfor 595』の実装テストを実施!プロのレーシングドライバーによるインプレッションはいかに?

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ABARTHファン垂涎のアクセサリー、esseesse(エッセエッセ)。黒いサソリマークが側面に描かれた専用の木箱にセットされているのは、サスペンションやブレーキをチューニングするためキット。その内容は単なるアクセサリーの域を超え、ABARTHマジックをよりパワフルに演出するものとなっている。今回は『esseesse Brembo キットfor 595(以下、Bremboキット)』をチョイス。『ABARTH 595 Competizione(コンペティツィオーネ)』に実装し、フィーリングとパフォーマンスをテストした。

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このキットには、F1を始めとするレーシングマシンや高性能スポーツカーに装着されることで有名なBremboのモノブロックタイプ4ポッド対向ピストン内蔵キャリパーをメインに、大径フローティングディスクローター、専用ブレーキホース。さらにチタニウムカラーが印象的な17インチアロイホイールと205/40 17Rタイヤがセットされている。

キット装着はアバルト横浜町田が担当

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Bremboキットの装着を請け負ってくれたのは、東名高速横浜町田IC至近のアバルト横浜町田。世界最大規模を誇るクリーンなショールームには、ABARTH現行モデルはもちろん、1950年代の『FIAT ABARTH 750GT Zagato』も飾られている。

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キット装着を担当したTECマエストロの山﨑圭介工場長によれば、Bremboキットの取り付けはおよそ3時間だという。作業工程は、まず車体をリフトに上げ、ノーマルのホイール、ブレーキホース、キャリパー、ディスクローターを外す。次いで、ノーマルパーツを外した逆の順序でBremboキットを組み付け、最後にブレーキフルードのエア抜きを慎重に行って完了。

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「ノーマル部品と交換するだけでハイスペックなブレーキシステムが手に入るキットです。何しろこんな素晴らしいアイテムをメーカー純正で用意するのは今時ABARTHくらいですから、多くのお客様に楽しんでもらえるとうれしいですね」

テストドライバーに招いたのはスーパー耐久チャンピオン

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キット装着テストで要となるのがドライバーだ。今回は、2015年からABARTH ムゼオ・チンクエチェント・レーシングチームに参加し、2015スーパー耐久シリーズを戦う井尻 薫選手を招へい。井尻選手は、2008年、2011年、2012年と3度のスーパー耐久シリーズチャンピオンに輝いた実績を持つ凄腕だ。スタート&最終ドライバーを務めた今年の同シリーズ開幕戦で10位フィニッシュ。昨シーズンは叶わなかったチーム初ポイントを早くも獲得し、その存在感を示した。ブレーキやサスペンションのテスト経験も豊富で、もはや説明するまでもなくこのテストには最高の逸材である。

「ブレーキがリニアに利くようになった」

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「もっとも気に入ったのは初期タッチ。ペダル剛性が上がっているので、ブレーキがリニアに利くようになりました。理想のフィーリングと言っていいでしょう」
これは、Bremboキット装着後の『ABARTH 595 Competizione』を試乗した井尻選手の第一声だ。
「ノーマルのフロント側のディスクローター径が284㎜で、キットのそれは305㎜。しかもブレーキ作動時の歪みが少ないフローティング式。そしてキャリパーは、片押しピストンのノーマルに対してキットはモノブロックボディの4ポット対向ピストン。ノーマルを語る以前にキットの中身が優れすぎています」。井尻選手は改めてキット概要を見直し、ため息交じりで驚いていた。

スーパー耐久仕様のABARTHと同じキャリパー

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ところで、理想のフィーリングと評した「ブレーキがリニアに効く」とはどういう感覚なのだろう?

「わかりやすく言えば、ペダルを踏んだ分だけ応じてくれるということです。そんな当然のようなブレーキタッチを実現させるのは案外難しい。ノーマルより大径のローターとモノブロックタイプの大型キャリパーをキットが備えているのは、各パーツの剛性を高めることでブレーキング時の歪みを最小限に抑えるためです。特にワンピースで作られているキャリパーボディは、2ピースタイプに比べ高温・後負荷時の「たわみ」が格段に少ない。その結果ペダルタッチが確実になり、ブレーキが利くまでのペダルストロークも短くなる。するとクルマ全体の操作性がレベルアップする。加えて熱に対する許容範囲が広がるのでフェードポイントも奥になる。

僕がスーパー耐久で乗った開幕戦仕様の『ABARTH 695 Assetto Corse』には、ローター径は違いますがこのキットと同じBremboのキャリパーが装着されていました。ブレーキに厳しいツインリンクもてぎで5時間戦ってもブレーキペダルのフィーリングに変化なし。これは本当に凄いことです」

「一般道でもより安全に走れる」

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過酷なレースでも実証されたキットのパフォーマンス。しかし街乗りレベルではオーバークォリティにならないのだろうか?

「決してガツンと利くものではありません。また、フロントのみの変更でも前後バランスに気になるところはない。ノーマルのフィーリングを生かしつつ、コントロール性を高めた。そう表現すれば理解してもらえるでしょうか。おそらくブレーキパッドのチョイスが絶妙なのでしょう。峠道やサーキット走行では最高の利き味を示してくれますが、一般道でもより安全に走れるはずです。

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試乗中にステアリングを左右に振ってみたんですが、ノーマルよりハンドルが重くなった感じはありませんでした。ホイールを含め、キャリパーも軽量化が図られているようです。そうしたキットの特性はオーナーだけが知るよろこびになるでしょう」

お得すぎるキット!?「装着しない手はないですね」

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装着するだけでクルマ全体のパフォーマンスアップが実現するというこのキット。井尻選手による絶賛コメントが続いたが、ひとつだけ注意点を示唆された。

「このキットを装着した方にはぜひ理解してほしいのが、キットは万能ではないということ。高性能ブレーキに替えてもパッドは減るし、ブレーキフルードのエア噛みは起きます。4ポッドキャリパーはパッドのアタリが均一になるので、実際にはパッドの減りが遅くなりますが、キット装着を望む人は走りに貪欲だと思うんですね。それでサーキット走行などを増やせば各パーツの消耗が早くなるのは当然のこと。ですから、キットを装着することでブレーキやホイールへの理解を深めてほしいです。それもまたチューニングの楽しみとなるはずです」

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ちなみに、正規ディーラーでのブレーキエア抜きとフルード交換は1万円弱だと山﨑工場長が教えてくれた。そして最後に井尻選手がぽつりと一言。
「それにしてもこの内容で工賃込み52万2720円はお得。というか安すぎるかもしれない。装着しない手はないですね!」

アクセサリー特別価格キャンペーン、<ADRENALINE RUSH OFFER vol.2 PLUS>実施中

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ここで、キット価格に関するスペシャルな情報を。ただいまABARTHでは、2015年5月1日以降にABARTH各車を成約かつ登録した場合、『esseesse Brembo キットfor 595』を始めとするアクセサリーを特別価格で提供するキャンペーン、<ADRENALINE RUSH OFFER vol.2 PLUS>を実施中。たとえば、『ABARTH 595 Competizione(コンペティツィオーネ)』の購入とともにBremboキットを申し込むと、メーカー希望小売価格の52万2720円が17万3707円で装着可能。このお得すぎるチャンス、放っておく手はない!!

取材協力
アバルト横浜町田
>> http://yokohama-machida.fgaj-dealer.jp/abarth/

井尻薫選手
>> http://minkara.carview.co.jp/userid/357455/blog/

INFORMATION

★ADRENALINE RUSH OFFER vol.2 PLUS
2015年5月1日以降にABARTH各車を成約かつ登録した場合、アクセサリーを特別価格で購入できるキャンペーンを実施中。
>> https://www.abarth.jp/offer/competizione.php

★ABARTH DRIVING ACADEMY @オートポリス
4/29に富士スピードウェイにて開催されるABARTH専用スポーツ&セーフティドライビングレッスン。
次回開催地、オートポリスへの参加申し込み、締め切り迫る。
受付期間:4/15〜5/23
>> https://www.abarth.jp/drivingprogram/drivingacademy/

★自分だけのサソリをつくれ。
好評のカスタマイズ・プログラムが、牡牛座の期間にも登場。自分だけの595シリーズを手にするチャンスは、間もなく終了。
受注期間:4/21〜5/22
>> https://www.abarth.jp/config/

Text:田村十七男 TONAO TAMURA
Photos:YosukeKAMIYAMA