山野哲也選手、124スパイダーを駆り全日本ジムカーナ選手権で通算100勝達成

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4月21日(土)から22日(日)にかけて福島県エビスサーキットで開催された全日本ジムカーナ選手権第3戦。アバルト124スパイダーを駆る山野哲也選手は今シーズン2勝目をあげ、全日本ジムカーナで通算100勝を成し遂げた。

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第2戦に続き、今期2度目となるポディウムの頂点に立った山野哲也選手。

参戦27年目、ジムカーナに情熱を注ぎ続ける山野選手。1992年に初優勝し、以後毎年出場。参戦レース数は今大会で189戦目。勝率は50%を超え、その圧倒的な強さから“ジムカーナキング”の異名をとる。とはいえ、容易に勝ち星を獲得できる甘いレースなどない。今回もギリギリの攻防が繰り広げられた。

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山野選手は2017年初戦より124スパイダーを投入、以後11回のレースで8勝をあげている。

山野選手が午前のランで叩き出したタイムは1分27秒042で順位は2位。1位を獲得したライバルを上回るには、午後のレースでさらに0.8秒縮める必要がある。さらにライバルが午前のタイムを上回った場合、当然そのタイムも越さなければならない。午前終了後、山野選手やメカニックの表情は硬かった。チームは念入りにマシンチェックを行い、できることのすべてを全力で取り組んだ。

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午前の走りを終えた山野哲也選手。

そして迎えた午後の走行。山野選手がスタートラインを飛び出した。コーナーに飛び込んでは124スパイダーのノーズをスパッと出口へと向けていく。勢い溢れる走りだが、無駄はない。持ち前の正確なマシンコントロールにより前半セクションを午前の0.6秒差で上回った。

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PN2クラスは排気量が1600ccを超える(ターボ車は1.7倍で換算)2輪駆動車によって競われる。改造範囲は限られる。

小さなターンが連続する後半セクションでは、124スパイダーの強みである軽い車体を機敏に振り回し、次のコーナーへと駆け抜けていく。そしてミスすることなく、ゴールラインへ。タイムは1分35秒436。ライバル選手もタイムアップしたが、それを0.17秒上回り、見事優勝を射止めた。

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山野選手にとって189戦目でのV100達成。この快挙に会場は沸き立ち、勝者のもとにたくさんのひとが祝福に訪れた。その中には白熱した競争を繰り広げた相手選手の姿もあった。2人は熱い握手を取り交わした。

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レース後には多くの選手や関係者が山野選手の元に祝福に訪れた。

昨年、シリーズチャンピオンを獲得したことで成し得たV17(タイトル17回)達成、そして前人未到の100勝と、また新たな金字塔を打ち立てた山野選手。さらに今大会での優勝により、シリーズポイントでもトップに浮上。18度目のチャンピオン獲得が近づいてきた。残り7戦。“ジムカーナキング”の挑戦は続く。