オリオ・フィアットにインスピレーションを受けたファン垂涎のミニカー

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モータースポーツシーンで名を馳せたオリオ・フィアット

アバルトにこだわりを持つファンであればOLIO FIAT=オリオ・フィアットのロゴマークを一度は目にしたことがあるのではないだろうか。かつてアバルトが手掛けたラリーマシンには必ずといっていいほどオリオ・フィアットのステッカーが貼られていたからだ。

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オリオ・フィアットのステッカー。車体の色に合わせ黄色地と紺地が用意された。上の1行のタイプはフェンダー用。

オリオ・フィアットとはフィアット純正オイルのブランド名で、その起源は今から100年以上も前の1912年にまで遡る。以来、エンジンオイルを始めとする油脂類でフィアットのクルマたちを陰から支えてきた。

1960年代までは裏方の存在だったオリオ・フィアットだが、1970年代に入るとモータースポーツの世界でその名をアピールしはじめる。第一歩となったのは世界ラリー選手権(WRC)などを戦うワークスチームのサポートで、アバルト124スパイダーの先祖であるフィアット124アバルト・ラリーのワークスマシンに、右にスラントしたブロックのロゴが印象的なオリオ・フィアットのステッカーが貼られることとなった。

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‘80年代のオリオ・フィアットオイルのラインナップ。右から最上級オイルの「vs CORSE」、中央は「vs CORSE」のアバルト用で、対応温度がより広げられ、缶のデザインも専用とされた。左はディーゼル車用のスーパー・マルチグレード。

1976年シーズンになるとワークスチームのフィアット124アバルト・ラリーは、ダークブルーを基本にイエローを配したオリオ・フィアットのイメージカラーを採用してレース参戦をはじめる。この年はシーズン途中からニューマシンのフィアット131アバルト・ラリーにスイッチされるが、オリオ・フィアット・カラーは引き継がれた。

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アバルト124ラリーの特製ミニカー。

こうしてアバルトが手掛けたマシンを陰で支えたオリオ・フィアットは、1989年にブランド名を「フィアット・ルブリカント」に変更するまで、その特徴的なロゴをモータースポーツシーンで露出し、数多くのファンの目にその姿を焼き付けた。

アバルト デザインヘッドのルーベン・ワインバーグ氏がミニカーのスケッチを作成

さて、ここで紹介している「アバルト124ラリー」のミニカーは、アバルトがミニカーの老舗トミカとコラボして製作したもの。トミカはこれまでに現行「124スパイダー」および「124ラリー」(初回特別仕様)のミニカーをリリースしているが、今回の作品は124ラリーをベースにブルーのカラーリングをまとった非売品だ。

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写真上がアバルトとトミカのコラボによる特製ミニカー。左下は2017年4月に発売された124スパイダー。右下は台数限定で販売された初回特別仕様。すでに完売済み。

トミカのミニカーといえば、ベース車を忠実に再現しファンを魅了。ディテールにまでこだわったデザインから、子供用のトイとしてのみならず、大人のコレクターアイテムとしても人気を集めている。今回のブルーの124ラリーは、まさにコレクター必見の1台といえるだろう。

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この124ラリーのデザインスケッチを手掛けたのは、FCAアバルト デザインヘッドのルーベン・ワインバーグ氏。ルーベン氏といえば、124スパイダーの実車をデザインした人物だが、じつはルーベン氏はミニカーのエンスージャストでもあるのだ。

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FCAアバルト デザインヘッドのルーベン・ワインバーグ氏。124スパイダーのローンチの際に来日し、124スパイダーを紹介した。

さて、ルーベン氏がミニカーのデザインスケッチを手掛けた際に、モチーフとしたのが70年代のオリオ・フィアットのカラーリング。アバルトのヘリテージにインスピレーションを受けブルーのカラーリングを用いたあたりに、124スパイダーに対する深い想いがうかがえる。

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ルーベン氏が124ラリーのミニカーのために製作したスケッチ。

数量限定で生産される124ラリーのミニカー。販売の予定はなく、キャンペーンのノベルティとしてのみ提供される。興味ある人はぜひチェックを。

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ABARTH 124 spider

取材協力・資料提供
チンクエチェント博物館