誰でもレーサー気分を味わえる。ABARTH オンリーの走行会をレポート!

主に休日しかクルマを運転しない人のことを“サンデードライバー”と呼ぶ。それと関連して、休日に趣味のクルマが興じてサーキット走行などに参加する人たちが、 “サンデーレーサー”と呼ばれているのはご存知だろうか。彼らにとって、休日にサーキットで愛車を走らせることは、ゴルフ場でゴルフを楽しむことと同じ感覚。今回は、クルマに魅せられ続けるサンデーレーサーにフォーカスした記事をお届けしたいと思う。

11月16日(土)、あらゆるクルマ好きのためのフェスティバル<AUTOCAR JAPAN FESTIVAL 2013>が富士スピードウェイにて開催された。<AUTOCAR JAPAN FESTIVAL 2013>のメインイベントは走行会だが、単にスピードを競うのではなく、愛車と楽しくスポーツドライビングができる場を共有し合うことを目的としている。さらに、パドックを開放してクラブミーティングやオートジャンブル、フリーマーケットといったイベントも実施。その趣向からも、クルマ好きの憩いの場として、全ての来場者に心から楽しんでもらうことを目的としていることが伝わってくる。

そんなクルマ好きによるクルマ好きのためのイベントにアバルト(ABARTH)も参戦したのは、<SCORPION MAGAZINE>でもお伝えしてきたとおり。各メーカーが趣向を凝らしたブースを展開する中、アバルトブランドの祭典<SCORPION MONTH 2013>の真っ只中であったアバルトが来場者のために用意したのは、『ABARTH 695 Assetto Corse』の走行データをインプットした高性能ドライビングシミュレーターによるバーチャル・レースイベント<GET YOUR SCORPION>の決勝戦と、アバルトだけのレース形式の走行会<トロフェオ・スコルピオーネ>だ。<トロフェオ・スコルピオーネ>に参加できるのはアバルトオーナーのみ。ノーマルからモデファイド、アセットコルサまで、様々なアバルトがサーキットを舞台に駆け回る。

サーキットを住処とするサソリ、アバルトだけのワンメイクレースに参加するSさんは、サンデーレーサーの一人だ。「サーキット走行は僕にとってストレス発散の一つです。ストレスが溜まっているときはサーキットを思いっきり走りたいなぁって思いますね(笑)」と話すSさんは今回『ABARTH 595 COMPETIZIONE』での走行。こだわりのレーシングスーツ(なんと90年代アバルトのワンメイクレース用のオリジナル!)、レーシングシューズ(トップレーサーから大きな支持を得るsparcoの日本未上陸モデル)、ヘルメットを身に纏い、いざサーキットへ。

Sさん曰く、「例えば、ゴルフ愛好家がゴルフ場をラウンドしても、プロ気分は味わえないですよね。でも、僕らはヘルメットを被ってサーキットを走ったら、それだけでレーサー気分が味わえるんです。ヘルメットの視界から見て運転すれば、誰でもレーサーになれるんですよ」。決してサーキットは敷居が高くない。お手軽に憧れの存在になれる環境なのだ。

<AUTOCAR JAPAN FESTIVAL 2013>当日はアバルト以外のメーカーの、ヒストリックカー、スーパーカーなどの走行会も開催されていた。クルマ好きだけが集まるお祭り故に、お祭りに参加する気分で気軽に楽しむことができるのも、<AUTOCAR JAPAN FESTIVAL 2013>の走行会ならではだが、アバルトというクルマでサーキット走行にチャレンジする意味とは一体何なのだろうか。

「アバルトのようなクルマは、無理してぶつけたりしない限り、自分のペースで走れば壊れません。しっかりクルマのカテゴリー分けがされていますし、初めてでも、自分が楽しいと思う範囲で走ればいいんです」と、非日常的なドライブ体験を楽しむための心構えを教えてくれた。この日は午前中に予選、午後には決勝戦が行われた。例えば、以前お伝えしたドライビング・ファン・スクールの発表会の位置付けで、サーキット走行会に参加するのもいいだろう。レース形式で行われるが、アバルトオーナー同士でサーキットを走っていると仲間意識が生まれ、新たなアバルトコミュニティの誕生に繋がっていくかもしれない。つまり、アバルトオーナーたちの交流の場となり得るのだ。

サーキット走行の魅力を訊かれると、Sさんは「自分のクルマをもっとよく知るという楽しさにもあるんですよ。サーキットを走ると日頃乗っているアバルトのオイル、タイヤなどを少しチェックしたくなる。単なるメンテナンスというよりもクルマをよく知るという楽しさにつながると思いますね」と語ってくれた。サーキットを走ると、理想の走りを求めたくなる。それを追求するために愛車をもっと良く知りたくなるのは、クルマ好きとしては避けて通れない道だ。

縁あってアバルトを手に入れたヒトは、言い換えれば、クルマを走らせることが大好きなヒト。<トロフェオ・スコルピオーネ>は、アバルト本来の魅力を知る貴重な機会となる。愛車のポテンシャルを思い切り引き出したいならば是非、一度はサーキット走行に参加してみていただきたい。

INFORMATION

<AUTOCAR JAPAN FESTIVAL 2013>にABARTHが参戦!
スペシャルゲストによるライブレポートはこちら<GET YOUR SCORPION>決勝戦のレポートはこちら