まさかの大波乱!富士スピードウェイで何が起きたのか?!<GET YOUR SCORPION>決勝戦の模様を完全レポート!

アバルト(ABARTH)の祭典<SCORPION MONTH 2013>の一環として企画された<GET YOUR SCORPION>。『ABARTH 695 Assetto Corse』の走行性を忠実に再現したシミュレーターを用いるタイムトライアルであり、全国主要都市のアバルトディーラー3店舗(※名古屋ラウンドは台風の影響で開催中止)にて予選会を行ない、激戦を勝ち抜いた予選通過者らによる決勝戦が<AUTOCAR JAPAN FESTIVAL 2013>にて開催された。

<AUTOCAR JAPAN FESTIVAL 2013>が開催された富士スピードウェイは、シミュレーターバトルのタイムトライアルの舞台でもある。<GET YOUR SCORPION>のカンピオーネが決まる11月16日(土)は、全国各地からクルマ好きが集まった。

各自動車メーカーがブースを出店する中、アバルトによる<GET YOUR SCORPION>決勝戦の会場では、午前中からドライビングシミュレーターの体験会を実施。アバルトビギナーやライトユーザーがその魅力を擬似体験する一方で、予選通過者たちにとっては、決戦前にテスト走行をチェックする最終調整の場となっていた。ちなみに、予選会の結果から優勝の目安とされていたタイムは1分56秒台だった。ところが、午前中のテスト走行の時点で、まさかの1分55秒台を記録する参加者が数名も現れた。異常事態を迎えた不穏な雰囲気のまま、決勝戦が時一刻と迫る…。
 

午後1時、いよいよ決勝戦開幕の時を迎えた。開会式で一同に顔を合わせる予選通過者9名(福岡予選会通過者のオレンジ・エフディーサンエスさんは、なんと熊本から参加!)。決勝戦のルールは予選とは異なる内容となった。予選はベストラップを競い合うタイムアタック形式だったが、決勝戦では3台のシミュレーターを同期し、レースを行ってゆく。つまり、対戦者との接触やクラッシュといったリスクの可能性が新たに加わり、実際のレース走行にアップデートされたということだ。速さだけではなくレース巧者ぶりも試される。

決勝戦はトーナメント形式による勝ち抜き戦だ。予選会トップのアスキーさんはシード。第1レースから第3レースまでを行ない、ラップタイム上位2名がアスキーさんとの第4レースを戦う。さらに第4レースの勝者と当日の最速タイム保持者の2名が、ドライビングシミュレーターの監修を務めたプロレーサー&アバルト・ブランドアンバサダーである檜井保孝さんとの最終決戦に進むことになる。ここまで来たからには誰もが優勝したい。会場には自然と熱気が高まってゆく。
 

シグナルが点灯し、消えた瞬間に一斉にスタートを切る各車。第1レースから接戦が繰り広げられ、順当に第4レース進出者が決まってゆく。驚くことに、その面々は<SCORPION MAGAZINE>でも先日お伝えした横浜町田予選会の2位と3位のakiraさんとyoshiさんだった。シードのアスキーさんを含めると、横浜町田予選会のトップ3が決勝戦を争うことになった。

いよいよ第4レースがスタート。レース中盤まではakiraさんとyoshiさんが熾烈な争いを繰り広げるも、敢えて後方にて戦況を見守っていたアスキーさんが二人のミスを見逃さず、後半からトップに躍り出る。決勝前に「ちょっと厳しいかもしれませんね」と弱気なコメントを残したアスキーさんだが、ここ大一番に予選1位のプライドにかけて持ち前のテクニックを発揮する。その後は一度もトップを譲ることなく、そのままゴールイン。檜井さんに挑戦する日本一のアマチュアの座にアスキーさんが輝いた。なおアスキーさんとともに檜井さんに挑める最速タイム保持者はakiraさんだった。果たして、横浜町田予選会トップ2はプロレーサーに勝利することができるのか?
 

優勝者が決まったところで<GET YOUR SCORPION>は一時中断。ここで当日のアバルトブースの模様を紹介しよう。デジタルプラモデルの作成を楽しむソーシャルアプリ『digimo』を会場でダウンロードすると、先着50名に3Dプリンターで制作したミニカー『ABARTH 595 50周年記念限定車仕様digimoモデル』がプレゼントされた。さらには優勝商品のモータースポーツに魅せられたイタリア人の情熱から生まれたブランド、<メカニケ・ヴェローチ>の腕時計も展示。人とは違うモノ・コト、そして生き方を求めるクルマ好きたちの注目を集めていた。
 

そしてアバルトの祭典と<GET YOUR SCORPION>の決勝戦に花を添えるため、二人のスペシャルゲストが会場に駆け付けてくれた。そのスペシャルゲストとは、自身も『ABARTH 695 TRIBUTO FERRARI』のオーナーとして知られるムッシュかまやつさんと、温もりあふれる歌心を届けるAzumiさん(元wyolica)だ。お二人はアバルトのための特別なライブを披露し、この日限りの貴重な音楽体験によって、オーディエンスに感動を与えてくれた。その模様は<SCORPION MONTH>特設サイトにてレポートが掲載されているので、是非チェックしていただきたい。
 

スペシャルライブの後、アスキーさんとakiraさん、そして檜井さんによるエキシビションレースが始まった。1ヶ月にわたる<GET YOUR SCORPION>のラストレースである。最終決戦に進めなかった7人の想いを乗せて、二人はプロレーサーと互角の闘いを繰り広げる。その熾烈ぶりに檜井さんの表情には一切の笑みがない。サーキットさながらの真剣勝負だ。

接戦が大きく動いたのはファイナルラップだった。徐々にakiraさんが遅れをとると、檜井さんとアスキーさんの一騎打ちに。檜井さんが縁石に乗り上げてアウトにはらんでしまった唯一のミス、そこをアスキーさんは千載一遇のチャンスとみなし、勝負を仕掛けてトップに躍り出る。再び檜井さんが差し返そうとするものの寄せ付けない。後方から脅威とプレッシャーを感じながらもゴールインを果たし、まさかのアマチュア日本一がプロレーサーに勝利してしまうという大波乱を巻き起こしてしまった。何が起こるか予測不能な展開はレースならでは。タイムアタックにはない醍醐味に、会場は興奮に包まれた。
 

いよいよ閉会式。トーナメント全体のベストラップタイムを記録した参加者に贈られる<メカニケ・ヴェローチ>の腕時計は、1:55:525を叩き出したakiraさんが獲得した。そして檜井さんに勝利したアスキーさんには、アバルト購入時に利用できる30万円分のクーポンが贈られた。

腕時計を獲得したakiraさんのコメント
練習の時点で何人かが1分55秒台を出したと聞いて、その人たちに勝てるか不安でした。でも、横浜町田の予選会で檜井さんの動画を撮って、今日のためにそれを研究してきました。優勝することはできませんでしたが、その成果がこのような形に結びついて嬉しいです。

見事優勝したアスキーさんのコメント
シードだったので、今日の初レースは誰がどんな飛び込みをするのか、どこかでミスをする瞬間を待っていました。タイムアタックだと負けてしまうと思っていましたが、レースだと何が起こるか分かりませんし、優勝できたことを誇りに思います。

想定外の結果に悔やむ檜井さんのコメント
完敗でした。でも、皆でシミュレーターを楽しめたと振り返っています。今回を機にアバルトを試乗して、その魅力に触れてもらいたいです。シミュレーターの世界とリアルな世界が繋がっています。できることならば、いつかレースの世界に入ってほしい。ヨーロッパでは、シミュレーターの世界からプロレーサーになったケースが実際にありますからね。

 

檜井さんが残したコメントのように、今やゲームを通じてレーシングドライバーになることは夢ではない。その予備軍として今回の<GET YOUR SCORPION>参加者の面々は、新たな可能性を示してくれた。近い将来、彼らが富士スピードウェイを舞台にアバルトを走らせる。そんな日が訪れてくれることを願っている。夢と期待を膨らませて、<GET YOUR SCORPION>はフィナーレを迎えたのだった。

INFORMATION

★「AUTOCAR JAPAN FESTIVAL 2013」にABARTHが参戦しました!
スペシャルゲストによるライブレポートはこちら ≫http://www.scorpione.jp/topic10.php