春のドライブの候補地に!城下町・水戸の伝統と革新が融合する『すずも提灯』をめぐる旅。

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都内から2時間弱で向かえるアクセスのよさに加えて、偕楽園をはじめとする庭園・美術館やグルメが充実し、春のドライブにも最適なスポット“水戸”。この地で注目を集める『すずも提灯』をご存知だろうか?かつて「水の都=水府」と呼ばれた茨城県水戸市に店舗を構える『鈴木茂兵衛商店』が提供するこの提灯は、一貫して伝統に根ざしながらも、その魅力を「今」「未来」へとアップデート。デザイン性や機能性の高さで話題になっている。

そこで今回は952 Azzurro Leggenda ブルーの涼しげなカラーが光る『ABARTH 500(アバルト500)』に乗って一路水戸へ。伝統と革新とが融合する、『すずも提灯』のクリエイティブをめぐる旅に出発!

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慶応元年創業の老舗が目指す、「今のくらしに対応できる提灯づくり」

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江戸時代に城下町として発展した水戸の提灯産業は、当初水戸藩の武士たちの内職として西ノ内和紙など近隣の工芸品と結びついて発展。江戸時代当時の人々にも、西ノ内和紙は丈夫で水の中から上げても乾かせば残るほどの強度で知られていたそうだ。そうして生まれた提灯が江戸=東京で話題を集めたことで、水戸は岐阜、八女とならぶ日本の提灯の三大産地のひとつに。慶応元年(1865)に創業された『鈴木茂兵衛商店』は、150年の歴史の中でその伝統を担いながら、同時に「今のくらしに対応できる提灯」づくりをモットーとしている。

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たとえば、ネジなど留め工具を一切必要としない特許を取得した独自のスタンド構造はその代表的なアイディアのひとつ。「折りたためる」「持ち運べる」という提灯本来の特性を生かすことで、誰でもどこでも簡単に組み立てられる照明が生まれることになった。

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他にも、ローソクの明かりをサンプリングして火の自然な「ゆらぎ」を再現したオレンジLEDや、足に引っかかっても自動的に起き上がる「起き上がり小法師」構造のものなど、提灯そのもののよさを生かしつつ現代の生活にマッチした商品を追究。「使う人のことを考えたものづくり」をベースに、日々商品開発が進められている。

水戸の歴史が育んだ、「水府提灯」の制作過程

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そんな『鈴木茂兵衛商店』にとって今も提灯づくりの大切な根幹となっているのは、古くから水戸に伝わる伝統的な手法で作られた「水府提灯」だ。

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▲写真右下:金属板の提灯の型。

その最大の特徴は、緻密に組み上げられた型に竹ひごをひとつひとつ輪っかにして掛け、糸を巻き付けるように固定していく独自の製法。多いものでは、ひとつの提灯に輪を120本使うこともあるという。そこに丈夫な和紙を張り、最後に型を抜き取ることで生まれる強度の高さが水府提灯の最大の特徴である。また、古い提灯の修理や補修なども行なっているそうで、モダンなアイディアを取り入れながらも、核にあるのはこの地ならではの特色を生かした創業150年の伝統なのだ。エンジンや機能が進化を遂げても、創業者カルロ・アバルトの精神や独特のフォルムを残す『ABARTH』と、伝統の上に立って新たなものを生み出していく『鈴木茂兵衛商店』。両者の姿勢には、共通するものを感じられないだろうか?

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▲工場の壁面には受注品のために使用する家紋がずらり

提灯の「今」や「未来」を感じる、鈴木茂兵衛商店の商品たち

そうして生まれた商品の数々は、どれもが温故知新を感じさせてくれるものばかり。

【MICシリーズ】

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▲左から『松』、『男爵頭像』。

ビジュアルアーティストのミック・イタヤ氏とコラボレーションした人気シリーズは、「とり」「しずく」「まんげつ」など自然や動物をモチーフにした曲線を生かしたデザインが魅力のひとつ。中でも「S字」の曲線が美しい「松」は初期のラインナップのひとつで、『鈴木茂兵衛商店』の頭文字をデザイン。「男爵頭像」「夫人頭像」ではペット樹脂の骨に熱を加えながら成型することで、1本の骨から複雑な形を生み出している。また、「MICシリーズ」には音感センサーが使用されており、手を叩くだけで光源のオン/オフが切り替えられる。

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中には支柱を持たず、ぐにゃりと曲げて使用できるユニークな提灯「ICHI-GO」も。壁面につけて一風変わったインテリアとして使うことも可能だ。これはミック・イタヤ氏が提案したもので、基本的に「吊る」「立てる」ことを目的に設計する提灯職人の視点からは考えつかなかったものだそうだ。

【瓶型シリーズ】

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また、ダイニングのインテリアとしても自然に溶け込む瓶型シリーズは「一般家庭にある身近なものを提灯にしたら面白いんじゃないか」というアイディアで開発されたもの。本物の酒造メーカーとのコラボレーションも実現。ラベルもインクジェットでの印刷やカッティングシートの使用など様々な工夫が凝らされ、そうして新しい提灯が出来上がっていく。

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16年に発表された新作「UFOペンダント」も、提灯ならではの優しい風合いとUFOをイメージした形がユニーク。店舗には遊び心を持ちながら、同時に「組み立てやすさ」「使いやすさ」そして「安全性」から「省電力」まで考えられた商品の数々が並んでいる。試作品や特注品の展示もあり、3メートルもある伸縮自在の提灯から、猫のしっぽにぶらさげる形の提灯スタンドの試作品まで、店舗に足を運んでこそ見られものもある。

この日お話を伺った新商品開発/技術開発担当の由元さんに、スタイルを追求するABARTHオーナーにおすすめの“提灯のあるライフスタイル”を伺うと、「忙しい一日の終わりに過ごす寛ぎの空間・・・、たとえば晩酌や読書の時間と共に提灯のおだやかな光に疲れを癒すのもいいのでは。」とご提案いただいた。またABARTHのデザインについて、「ABARTHはメカ的な部分が進化を遂げても、昔ながらの曲線の綺麗さを残していて、それがにじみ出ていますよね。提灯も、これまで受け継がれてきた伝統がなければ作ることは出来ません。そういう意味では通じるものがあるかもしれません。」と語っていただいた。

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提灯は日常に根ざした商品として普段使いに重宝するだけでなく、誰かへのギフトとしても最適だろう。フロアに広がる提灯特有のおだやかな光は、思わず時が過ぎるのを忘れてしまいそうになるほど、落ち着きや癒しを与えてくれる。

ドライブで茨城に向かう際には、提灯の伝統を現代へと連れ出す『すずも提灯』のクリエイティビティを体感しに、ぜひ訪れてみてはいかがだろうか。

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『鈴木茂兵衛商店』オフィシャルサイト
>> http://www.suzumo.com/

INFORMATION

★ABARTH AUTO TEST
自動車雑誌「ベストカー」の協力で、 JAFの実施フォーマットにそった「オートテスト」にて、 ABARTHの走行性能を気軽に体験できるチャンス。
>> https://www.abarth.jp/autotest/

★ABARTH DRIVING PROGRAM
今年も4月29日(祝)に富士スピードウェイにて開催
>> https://www.abarth.jp/drivingprogram/

★NEW ABARTH 595 COMPETIZIONEが登場
さらなる進化を遂げ、よりアグレッシブに生まれ変わったABARTH 595 コンペティツィオーネ。刺激的なスタイリング、コンパクトボディに秘めた180psのハイパワー。
>> https://www.abarth.jp/abarth595_competizione/

★クリーンエアーキャンペーンが4月末まで開催中
車内で手軽にアロマが楽しめるABARTH純正アロマディフューザーキットが新発売。
>> https://www.abarth.jp/cleanair/

Text:Jin Sugiyama
Photos:YosukeKAMIYAMA