第3回アバルト・ドライビング・ファン・スクール

伝統と栄光の鈴鹿サーキット、そのパドックを独占するアバルトたち。これから楽しいスクールが始まろうとしている。

走る楽しさを学び、アバルトを知り尽くすことを目的に、今シーズンから始まったアバルト・ドライビング・ファン・スクール。本格的なスタートとなった今年早々から年5回が予定とされているが、今年8月9日には今年第3回目の講座が鈴鹿サーキットで開催された。

アバルト・ドライビング・ファン・スクールで最も重要視されるファクターは「ファン」の部分。走るほどに楽しいアバルト生来の魅力を充分に引き出せるだけのスキルを、頭と体にしっかりと身につけ、安全かつ愉しいアバルト・ライフを満喫していただくことを最大の目的としている。そして、より高いレベルでアバルトの性能と個性を知り尽くしていただくために、サーキットという最高の“教室”を用意。レース界で輝かしい戦果を挙げてきた経験豊富なインストラクター陣とともに、自身の愛車であるアバルトとより密接な関係を構築していただくことも、大切な目標とされている。

この日のレッスンは、まずドライバーズサロン内で行われる座学からスタート。ドライビングポジションやクルマの走行理論(主に過重移動)、あるいは操縦法を知識として理解していただく。
サーキット走行には重要な各種フラッグ(旗)に関する説明も、座学の段階でインストラクターおよび鈴鹿サーキット・スタッフによって丁寧に解説されることになっている。


F1日本グランプリの会場でもある、鈴鹿サーキットでのアバルト・ドライビング・ファン・スクールは、今回が2回目。これまでのレッスンと同様、まずはドライビングポジションからクルマの走行理論(主に過重移動)、アクセルワーク/ブレーキング/ステアリングの使い方を学ぶ座学からスタートする。その後コースに出てブレーキングやコーナーリングセオリーを自身の愛車で実習。さらにスラローム実習や東コースでの先導走行と同乗レッスンを経て、この日最大のお楽しみ、鈴鹿サーキット全コースのフリー走行に至るスケジュールとなっている。
内容自体は至って真面目かつ有意義なスクールで、特に最後のフリー走行時には、参加者それぞれの上達ぶりに驚かされることになったのだが、その一方で会場ではいつでもどこでも大爆笑の嵐。これは、この日のメインインストラクターを務めた福山英朗選手の明るいキャラクターに拠るところが大きいように思われた。また、ライバル争いの起こりがちなこの種のスクールでは珍しいそうだが、この日の講習生同志が直ぐに仲良くなってしまう様子もあちこちで見受けられた。

鈴鹿サーキット東コース、あるいはジムカーナ場としても使用される駐車場を利用して、ブレーキの安全かつ有効な使用法を自らの愛車とともに学ぶためのレッスンが行われる。

ホームストレートで行われたスラローム講習。ステアリングとブレーキ、アクセルをいかに上手く使いこなすかが、スムーズな走行のカギとなるようだ。
パイロンのすぐ傍をかすめるように走るプント・エヴォ・アバルト。インストラクターのアドバイスをうけることで、みるみる上達してゆくのが手に取るように判る。


そして、講習生たちが自身の愛車アバルトとともにサーキットでの講習に励む傍ら、パドックでは同伴者や体験試乗者のために、最新アバルト各モデルをたっぷり品定めできる試乗会や、インストラクターによる「同乗サーキットタクシーや同乗ジムカーナタクシー」も併催。この日鈴鹿サーキットに訪れたすべての方が、アバルトの神髄を堪能することになったのだ。

スクール参加者に同行したご家族、お友達には快適なホスピタリティブースも用意されたが、皆様アクティブなようで体験試乗や同乗サーキットタクシーあるいは同乗ジムカーナにチャレンジしていたようだ。

同伴者、あるいは体験試乗者の方々には、アバルトの現行ラインナップ各モデルを、もちろんご本人の操縦でテストできるチャンスが用意された。
ご主人様が500エッセエッセで講習を受ける傍らで、アバルト体験試乗を満喫した新井さおりさん。「500も良いけど、プント・エヴォもこんなに良かったなんて……!」との由。
同伴者にはもう一つのアトラクション。インストラクター操縦による同乗ジムカーナタクシーである。かなり激しいので皆さん尻込みするかと思いきや、予想外の大人気だった。
ジムカーナタクシーの運転を担当する水谷竜也インストラクター。「アバルトはジムカーナで激しく走ってもまったく音を上げない。素晴らしくタフなクルマ」と感心のご様子。


近年ではインターネット上のSNSなどでも同じブランドを愛する自動車愛好家同士の交流が図ることのできる便利な時代になったが、やはりそこはアバルトである。サソリの毒に侵された(?)アバルト・エンスージアストにとって、最高の交流の場となるのはサーキット。それは、サーキットこそアバルトの“本籍地”であるからにほかならない。

午前・午後の厳しい(?)レッスンをおえて、この日最大のお楽しみ。F1日本グランプリとまったく同じ、鈴鹿サーキットの全コースを走るチャンスが訪れることになった。

まずはインストラクターのドライブするペースカーに、一定の間隔で追走する先導走行から。このとき講習生は一日のレッスンの成果を思い出しつつ、最後の調整を図る。
グリーンランプのフル点灯とともに、いよいよフリー走行が開始。2台のアバルト500がストレートで並び、ともにフルスロットルで掛けてゆく姿は「壮観」の一言に尽きる。
実に美しいフォームでコーナーリングしてゆくアバルト・プント・エヴォ。スピードは充分に乗っているはずだが、レッスンを終えたことでクルマの性能を充分に引き出している。
こちらも美しいコーナーリングフォームを見せるアバルト500。クリッピングポイントに上手く近づけていることが、写真からもお判りになるだろう。



この日のスケジュールをすべて修了したのちは、サソリの爪を象ったスタイルで恒例の記念写真。講習生とインストラクターたちの、満面の笑顔をご覧いただきたい。