SUVになかったモノがアバルトにはあった アバルトライフFile.14 横澤さんと595コンペティツィオーネ

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「自分には実用性の高さや多用途性は必須ではなかった」

アバルト595の現行ラインアップで、もっともハイパフォーマンスなモデルである595コンペティツィオーネ。ジアッロ・モデナと呼ばれる、イタリア車ならではの鮮やかなイエローに塗られたリトル・ダイナマイトの5MT、左ハンドル仕様に乗って待ち合わせ場所に現れたのは、横澤京昂(ひろたか)さん。アバルトとヒップホップ系ファッションの組み合わせが新鮮でカッコイイ、24歳になったばかりの若いオーナーだ。

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ジアッロ・モデナの595コンペティツィオーネに乗る横澤さん。MTであること、乗って楽しいと思えることを条件に掲げ、このクルマに行き着いた。

幼い頃からクルマ好きで、漫画『頭文字D』などの影響から、少年時代は走り屋の世界に憧れていたという横澤さん。だが2年前に手に入れた初めての愛車は、アバルト595よりひとまわり以上大きいクロスオーバーSUVだった。
「最初はコンパクトな3ドアハッチバックにしようと思っていたんですが、ディーラーで見ているうちに、ドアが多いほうが実用性が高くていいんじゃないかと。でも実際に乗ってみて、自分には実用性の高さや多用途性は必須ではないことに気付きました(笑)」
それで初心に戻り、コンパクトカーへの乗り換えを決意。加えて操る楽しみを求めてMT車を条件に加えたため、自ずと購入候補は限られた。その数少ない選択肢から595コンペティツィオーネを選んだのは、「試乗したら、とにかく楽しかった」からだという。

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「他人とカブりたくないのでその点もよかったです」

595コンペティツィオーネのMT車は、ハンドル位置の左右が選べる。右と左ではダッシュまわりのデザインが若干異なるが、横澤さんは左のほうが気に入ったこと、また左ハンドル車は初めてにもかかわらず、ドライビングポジションがよりしっくりきたので選択した。
「考えてみれば、左ハンドルのマニュアル車って、現行モデルでは希少な存在ですよね。できれば他人とは(持ち物が)カブりたくないので、その意味でもよかったです」

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左ハンドルのマニュアル車という希少性も595コンペティツィオーネの満足点のひとつという。

いちばん心に響いたのはエンジンを切った時の音

595コンペティツィオーネが納車されたのが2017年の9月。MT車は親御さんのクルマで経験済みだったし、左ハンドルにもすぐに慣れた。気に入っているところは「かわいいのに速い」こと。フェラーリの色にも近いイエローをまとった、チャーミングな丸目のボディ。いざステアリングを握ると、「もっと走ろうぜ」とクルマから訴えかけてくるような気がするという。

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横澤さんが595コンペティツィオーネを駆るのは、もっぱら週末。高速を主体に200kmぐらいのドライブをしたり、たまには『頭文字D』のモデルとして知られるようになった榛名山周辺の峠道を走ったりもする。
「似た類いのクルマに遭うことですか? いや、ぜんぜんないです(笑)。まあ、人と競ったりするわけじゃないし、楽しく走れればいいので、けっして無理はしません」

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595コンペティツィオーネはとても気に入っているし、満足しているが、アバルトというブランドについて、予備知識があったわけではないという横澤さん。
「アバルトの歴史などに興味がないわけじゃないんですが、ウンチクとかはよくわかりません。ですが、実際に自分のクルマで触れている部分、たとえばアルカンターラ張りのステアリングホイールやシートの感触とか、レコードモンツァのエキゾーストシステムが吐き出すサウンドなどは、とても好きですよ」
ちなみに、いちばん心に響いた音は、エンジンに負荷をかけたり高回転域まで回したりしたときではなく、エンジンを切った瞬間に聞こえる「パラパラン」という音だそうだ。

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そのファッションセンスといい、アバルトというブランドに対する距離感といい、皮膚感覚で595コンペティツィオーネを愛好している横澤さん。肩の力が抜けていながら、自らの感性に忠実な嗜好を持って楽しんでいる様子が印象的だった。そんな横澤さんのハートをガッチリとつかんだ595コンペティツィオーネは、改めてたいしたヤツだと思う。

取材協力:アバルト高前

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群馬県高崎市の国道17号線沿いにある、リニューアルして間もないアバルト高前。2Fにはカフェを併設し、本格イタリアコーヒーやパニーニ、ドルチェなどが楽しめる。
〒370-0071 群馬県高崎市小八木町1028
営業時間:9:30-19:00
定休日:毎週月曜日、第1・3火曜日
TEL:027-364-9120

595コンペティツィオーネ製品ページ

文 沼田亨
写真 荒川正幸